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海に投げ出されて5秒くらいは、何がなんだか解らなかった。
とりあえず足がつかない(当たり前だけど)。
でもライフジャケットのおかげで浮いていることはできる。
Tさんが叫んだ。
「Jさん、ジャケットのファスナーを閉めるといいですよ!」
わたしはライフジャケットの前ファスナーを空けていたので、
どうも体が安定せずライフジャケットが脱げそうだった。
言われた通りにした。なるほどライフジャケットが体にフィットして、
体が安定した。
小さなボートは完全にひっくり返り、
底を上にして死んだ魚のように浮いている。
私とTさんはその死んだ魚のヘリにしがみつき、
とりあえずぷかぷかと浮いている。
顔を見合わせた。2人とも笑っていた。笑うしかなかった。
私は岸をみた。大体300~400メートルってところか。
万が一の場合、死ぬ気で泳げば何とかなるかな?
ライフジャケットもあるし。いや、でも潮に流されると
ちょっとまずいかも・・・。
水が冷たかったが、比較的落ち着いていた。
岸から近いし、まだ明るい。死ぬようなことはないだろう。
「とりあえず、ボートを戻しましょう。」
Tさんに言われて、ひっくり返ったボートを元に戻すことにした。
1、2の3!でボートを裏返した。
ボートの中にはまだ90%くらい水が残っていて、
エンジンの重みで今にも沈みそうだ。
ボートのヘリにつかまりながら、中の水を近くに浮いていた
なにかのポリ容器を使ってかき出した。
竿も道具もみんな沈んでしまった。
浮いているのはプラスティック製のものぐらい。
20分ぐらいかけて半分くらい水を出したところで
まずTさんがボートに乗り、残っている水の大半を
かき出したところでようやく私も乗り込んだ。
はぁ~、とりあえず一安心だ。
私が残った水をくみ出している間に、
Tさんがエンジンをかけようとした。が、かからない。
当然といえば当然だ。
エンジン全体が水の中に沈んだんだから・・・。
「かかりそう?」私は聞いた
「無理っぽいっすねぇ」
「どうします?手で漕ぎますか?」
「うーん、でもこの辺、結構潮が早いですしねぇ。」
ちょうどその時だ。200~300メートル先から、
1隻の船が近づいてきた。我々のことを見ていたようだ。
「大丈夫か~」声をかけてくれた。
「大丈夫だけど、エンジンがかからない~」とTさん
「こっちに乗るか~」
「Yes, please」....助けてもらうことにした。
助けてもらった船は商業用の漁船で、
20メートルくらいの大きい船だった。
「岸まで連れてって」とお願いしたのだが、
「この船は大きいから、あそこには船がつけられない。
Birkenheadの埠頭で降ろしてあげるよ。」・・・
Tさんのボートをロープで引っ張りながら15分程、
Birkenheadの埠頭まで乗せてもらった。
船長に心からお礼を言って埠頭に降りると、
船から連絡をとったTさんの奥さんがすぐに迎えに来てくれた。
あー助かった。もう少しで新聞に載るところだった・・・。
そんなことがあっても、
「釣りはもうこりごり」というわけではない。
Tさんはそれからもちょくちょく誘ってくれて、
別のボートと修理したエンジンで沖に連れてってもらっている。
やはり釣りは楽しい。ただ痛感したのが、
ライフジャケットの重要性だ。もちろん法律でも
装着が義務付けられているが、ライフジャケットは文字通り
「命のジャケット」なのだ。
あれ以来乗合船やフェリーに乗るときでさえ、
救命道具がどこにあるかを常に意識するようになった。
「緊急時の備えを常に意識しておく」・・・
自己責任で行動する上で、大切なことだと知った。
人生、すべて勉強ですね。
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