車が高速でエンスト・・・(後編)

レッカーしてもらった車を整備工場の駐車場に

勝手に放置してきた私は、翌朝一番でまた整備工場へ向かった。

そして症状を話した。
 


 


「いや、タイミングベルトがはずれるって事はまずないですよ。」  


ずっとこの車をメンテしてくれている整備工のTさんはこう言った。

だったら何だろう。あんまり複雑な問題じゃないといいけど・・・・。


「エンジンかもしれませんねぇ。見ておきますので。また電話します。」

Tさんにそう言われ、連絡を待つことにした。


 


2-3日後、Tさんから電話が入った。


「調べてみたのですが、エンジンのバーツでシリンダーヘッド

というのがあるのですが、これにクラック(ひび)が入ってます。」


 


エンジンのパーツに「ひび」?




一瞬エンジンの上部が、ざくろのように割れている絵を想像した。

重症だぞ、これは。


 


とにかく見に来られますか?といわれたので見に行くことにした。

行ってみると私のエンジンはボディーから取り外され、

プラモデルのようにバラバラに分解されている。

おいおい、これって元にもどるの?さすがに心配になった。


 


「ここなんですけどね。」


 


Tさんが指さしたのは、分解されたエンジンの上部に当たるパーツで

シリンダーヘッドと呼ばれる部分。よーく見ると髪の毛くらいの

筋が入っている。


「これがクラックなんです。」


 


え、そうなの?私は想像した絵とかなり違っていたため、

若干拍子抜けした。


 


「でも、これを見てください」


 


そこにはシリンダーの上についているバルブが取り出されていて、

一本はそのシャフトが真っ二つに折れていた

いやあ、こんな筋のような「ひび」でも、これほどの

ダメージを与えるとは・・・。


 


「これ、どうやって修理するんですか」


「このシリンダーヘッドごと、交換しないといけませんねぇ。

ちょっとパーツの値段を聞いてみますけど、

けっこうすると思いますよ。」


 


けっこうする」ってどれくらいかな・・・見積もりがでたら

連絡してもらうことにして、ひとまず帰ってきた。


 


数日後、Tさんから電話がかかってきた。


 


「えーと、見積もりなんですけど」

「はいはい」

「やっぱり結構かかってしまうんですけど」

「はい、いくらですか?」

「全部込みで、$2,120ですね」


 


 


 


 


 


(゚Д゚ノ)ノ え゛っ?


 





「にせんひゃくにじゅうどる」?


 


今「にせんひゃくにじゅうどる」って聞こえたけど。気のせいかな。

いや、2,120バーツの間違いかもしれない。そんなことはないか、

でも$2,120って日本円だといくらだ?げっ、15万円くらい?

高いな、北朝鮮なら家が買えるぞ(本当か?)・・・


 



取り乱した私を気遣ってくれたのか、Tさんはやさしく言った


「やっぱりこちらは部品がどうしても高くなっちゃうんですよねー。

一応新品に交換しますので。えーっと、どうしましょうか。

修理をすすめてしまってもいいですか?」


 



エンジンをはずしたまま車をガレージに放置されては

Tさんも困るだろう。それにこのひとは高い値段をふっかけるような

人ではない。値段は高いが、選択の余地はない・・・。

私は修理をお願いした。


 



ところでこのポンコツ号は93年式のハイエース・ディーゼルで、

日本の都会ではディーゼル規制のため車検が通らないという

シロモノだ。このディーゼル商用バンはサスペンションも固く

エンジンもうるさいので、乗り心地は大変よくない。

友人宅へ行ったときに「クーリエ(宅配業者)が来たかと思った。」

と言われることがある。(そりゃそうだ、同じ車なんだから。)

走行距離も9万キロを超えている。


 



「もう捨てたら?そんな車」と思われるかもしれない。

でもこの車は、私と家族にとって特別な車なのだ。


 


ポンコツ号の写真がこれ。

DSCF0021.jpg
 




ポップアップルーフタイプの小型キャンパー・バンだ

(でも通勤用にも毎日使ってます)。ルーフの部分が

ベッドになるので、親子4人がかろうじて寝泊りできる。

こちらへ移住したときに日本から運んできた。

このポンコツ号で2002年には北島一周(2週間)、

2003年には南島一周(4週間)の旅行を決行、

すべてホリデーパークでの車中泊である。





たしかにあちこちでこのポンコツ号はへそを曲げてくれた。

ギズボーンへ着いた時、インフォメーションセンターの

真正面でバッテリーが上がってしまった。

インフォメーションセンターのお姉さんに頼み込んで、

その人の車を横付けしてもらいケーブルで繋がせてもらった。

でもそれでもエンジンがかからない。

完全にバッテリーが死んでしまったようだ。

仕方がないので家族を向かいのマクドナルドで待たせて、

ひとりガソリンスタンドへ走りバッテリーを購入。

バッテリーを担いで目抜き通りを足早に通りすぎる東洋人

への視線を尻目に持ち帰り、バッテリーを交換したことがある。

その他にもサイドオーニングがはずれたり、ラジエター液が

空っぽになってオーバーヒートを起こしたり、いろいろとやってくれた。

それでもこの車には、家族の思い出がいっぱい詰まっている。

子供たちもこの車が大好きだ。


 


「出来が悪いほどかわいい」というのは、

わが子だけではなかったようだ。修理から帰ってきたポンコツ号は

朝の寝起きが悪くなり、少し暖気運転をしてやらないと

機嫌がよろしくない。それでもなんとか「たのむよ、止まるなよ。」

となだめながら、明日もこのポンコツ号で会社へ向かうことになる。

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はじめまして。
グローバル製のハイエースですね。
エンジンは確か3L型、2800ccでしたか。
そのシリンダヘッドのクラックは、
トヨタ製の小型ディーゼルエンジンの
持病です。トヨタは金にモノを言わせて、リコールにはさせていませんが・・・・・・

豆腐さん
 書き込み有難うございました。そうなんです。修理屋さんも同じことを言っていました。トヨタの旧式ディーゼルは、故障が多いそうですね。エンジンは3L(2L?)の2.8リットルです。まあ修理しか選択の余地はなかったんですけど。あと10万キロは走ってもらわないと・・・と思っています。